2010/01/22衆議院予算委員会
衆議院予算委員会質疑
 
渡辺喜美
 みんなの党代表、渡辺喜美でございます。

 みんなの党は、みんなで坂本龍馬をやっております。自民党脱藩組、民主党脱藩組、脱藩官僚、そして、民主党からさんざん誘われたのでありますが、その独裁体質が嫌だと言ってみんなの党に入党してこられた川田龍平さんのような人もいます。

 みんなの党は、例えば霞が関改革法案、こういうものをワンパッケージで出しております。ワンパッケージの政策を、制度改革をやることによって平成維新は起こるものであると考えております。

 我々のねらいは、覚悟を持って薩長連合、政界再編をやることであります。我々のねらいは、維新開国、これはかつて前原大臣が言っていた言葉をちょっとパクらせていただいておりますが、維新開国によって、衰退過程に入った日本をもう一度隆盛国家にすることであります。

 なぜ明治維新が起きたのか。堺屋太一さんによれば、士農工商という身分制はおかしいと庶民が気がついたんですよ。お侍さんって大したことないよね、その瞬間から明治維新は起きたんです。維新によって版籍奉還を行い、武士の身分制を廃止いたしました。今風に言えば脱官僚、地域主権、これをやったから維新が起きたんですよ。

 政権交代というのは、こうした歴史的偉業のはずでありました。でも、鳩山内閣の迷走が始まり、今や政権は後ろに退く政権後退状態になっているじゃありませんか。まず真っ先にやるべきは、自民党の幕藩体制を支えた官僚制度の改革をやるべきだったんです。これが先送りされて、また、私が大臣のときに手がけた地域主権型道州制は今や影も形もないじゃありませんか。江口克彦座長のもとに懇談会をつくり、ことしの三月までに基本計画を出す予定だった。それが全く消滅させられてしまったのであります。

 鳩山政権は、維新政府の首相ではなく、第15代将軍徳川慶喜公に似ているという話もございます。改革マインドはあるんだけれども、幕藩体制最後の将軍だと。こういう位置づけなんですね。慶喜公には篤姫という偉大な母親がいらっしゃいました。鳩山総理の場合にはどなたかは存じませんけれども、よく似ているものだなと思いますよ。

 今我々の目の前に広がっているのは、古い古い自民党の時代のデジャビュですよ。いつか見た光景。金銭スキャンダルに見舞われ、そして、官邸のあるじよりも党の方に最高実力者がいる。自民党時代そのものじゃありませんか。無血の平成維新は一体どうなっちゃったんですか、総理。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 渡辺喜美委員にいろいろと御指導をいただきました。特に政治主導、官から民だという思い。私もその思いで、多くの同志の皆さんとともに、今こそ政治主導の世の中をつくらなきゃならぬ、その思いでまさに政権交代の旗を掲げて、それを実現したところでございます。

 今、いろいろと何か意識の中で、党の方がより力があるみたいな話がありました。そうではありません。私どもは、政策はすべてこの新たな政府の中で、内閣でつくり上げていくということにいたしました。そして現実に、ある意味で、事務次官会議などというものをなくすなどを行いながら、官から民、政治主導の内閣をつくり上げてまいりました。

 ただ、御案内のとおり、渡辺委員お話しのとおり、まだ政権発足して4カ月であります。そこにすべてを期待されても、必ずしも渡辺委員が御満足いただけない部分も、あるいはあろうかと思います。

 しかし、渡辺委員が今お話しされたような、まず脱官僚、それからいわゆる地域主権、これは道州制の部分というものに対しては、むしろもっとダイレクトな方がよいのではないかという思いがありますので、むしろさらにそれを強烈なものにしていくために変えようとしておりますが、地域主権国家づくりに邁進していきたいと思っておりますので、決して我々は、渡辺委員と違う夢を描いているという思いはありません。むしろ、思いは極めて近いのではないか、そう思っておりますので、渡辺委員が大臣時代のときに思っておられたことがなかなかうまくいかなかった、だからこそ新しい政治をつくろう、そして行動された、その行動やよしだと思います。その渡辺委員の意思を我々にもしっかりと見定めさせていただく中で、共通する部分、大いに一緒に行動できれば、そのように考えているところであります。

渡辺喜美
 総理の思いがわからないでもありませんが、行動が伴っていないと政治家はいけません。順番が狂ったんじゃだめなんですね。最初にやるべきこと、これをしっかりやることが大事だと申し上げたいと思います。

 そういう中で、これまた自民党時代の金のスキャンダルそっくりじゃありませんか。総理の場合には、自民党の方には弟さんを除いてはそういうお金持ちはいらっしゃいませんけれども、ずっと答弁を聞いていて、何かちょっと腑に落ちないんですね。政治資金規正法違反がなければ何に使ってもいいのか。違反はないとさっきから答弁されておられます。違反がないから使い道の説明はしなくていいんだというふうに聞こえますよ。

 さっきの御答弁では、プライベートに使った分もある、しかし私腹を肥やしたわけではないと、たしかおっしゃったと記憶いたしました。どういう意味なんでしょうか。たまっている分がないという意味なんでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 私の今回の政治資金の問題、いわゆる虚偽記載の問題で2人の秘書が御案内のとおり起訴をされたということでございまして、そのことに関しては国民の皆さんにおわびを申し上げてきたところでございます。

 そして、そのことで、秘書が行った行為に関して、私はいろいろと過去も確かに発言をしたということも認めているところでありますが、しかし、そういった行為そのもの一つ一つが、私腹を肥やすような後ろめたいことを行ったという思いではないということを申し上げたかったのでございまして、その意味で申し上げて、先ほど使い道の部分もお尋ねがありましたけれども、使い道に関しては、検察が調べ上げて、収入も支出も調べて、その中で支出の部分には問題はなかったというふうに私は認識をしているということを申し上げたところでございます。

渡辺喜美
 月々1,500万円もらっていたという御認識はないと何度も聞かされましたが、多額のお金を使っているという御認識はおありだったでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 多分、普通の御家庭の方々に比べれば、我が家の支出は多いのではないか、そのように認識はしております。

渡辺喜美
 それは1,500百万円ぐらい使っているという御認識だったでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 そのような認識は持ち合わせておりません。

渡辺喜美
 もし巨大なお金がなかりせば、今日の政治家鳩山由紀夫はあったとお思いでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 この母からのいわゆる贈与に関しては、全く存じ上げなかったことではあります。したがいまして、知らなかった話でありますだけに、それが、仮定の話で、もしなかったときにどうなるかということは、私には全くはかりかねます。

 ただ、政治家になりたいという思いは、そのお金がなくとも果たすことはできたとは思っておりますが、その後の行動に関して自分自身として今判断を求めろと言われてもはかりかねるところでございます。

渡辺喜美
 先ほどから出ている質問なんですが、秘書の罪は政治家が罰を受けるべきだとの御発言であります。今回、秘書の刑事責任が政治家の政治的責任に及ばない理由を改めて正確に教えてください。我々は地球人でございますので、地球人にわかるようなわかりやすさをもってお願いをいたします。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 それは、検察によってある意味で最終的な処分がなされたその責めは、当然その者が負うべきであります。

 ただ、同時に、その者が、私が政治家になっていなければ当然別の世界にいた人間でありましょうから、そのような罪は犯さなかったと思っておりまして、その意味で、同じ罪だというふうには認識はしておりませんが、政治家として、その秘書が犯したことに対しては責任はあるべきだ、そのような思いは持ち合わせております。

渡辺喜美
 もし、お母様からのお手当ではなくて、原資がゼネコンのやみ献金あるいは解散された政党の政党助成金の使い残しだったとしたらいかがでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 そのような仮定の話にはお答えする必要もないかと思っておりますが、そういうところから来なかったというところがむしろ秘書の悩みであったのかな、そのように思っております。

渡辺喜美
 つまり、そういったゼネコンのお金とか、そういう汚い金ではない、これは個人の財産、いわばきれいなお金を使ったという区別なんでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 何だからきれいだとか汚いだとか、そういう区別はするべきものではないと思います。

渡辺喜美
 やみ献金をきれいなお金と言う人はいらっしゃらないと思うんですね。そういうお金が流れ込んで、もし秘書が罪に問われた場合、政治家本人の責任はどうなるでしょうか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 そのようないろいろな仮定のお話をされますが、私は、今の立場から、仮定の話にお答えするものではありません。

渡辺喜美
 これは個別の話ではなくて、一般論を聞いているんですよ。一般論として、ゼネコンのやみ献金や政党助成金の不正蓄財があって、秘書が罪を問われた場合に、政治家の本人はどうなるんですかというお尋ねをしているんです。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 そのようないろいろな仮定のお話をされますが、私は、今の立場から、仮定の話にお答えするものではありません。私の秘書の犯した罪はそのような話ではない、そう理解をしておりますので、一般論だとしても、私が答えるべきではないと思います。

渡辺喜美
 国会というのは検察じゃありませんので、これはまさに、先ほどから議論が出ているように、政治的責任、こういうものをきちんと明確にする場なんですよ。したがって、こういう当たり前の質問に答えられないというのは、何かやましさを感じてしまいます。

 政治主導というのは官邸主導、内閣主導のことであります。官邸が中空構造だったら真の政治主導は成り立ち得ません。政権をとったら、政権党は何でも思いどおりになるのか。例えば天皇陛下の公的行為も検察の捜査も全部思いどおりになるのか。一党独裁国家ではそういうこともあり得るでしょう。しかし、我々のような自由社会ではそういう考え方は間違っています。自由社会の一番大切な倫理というものは、力の強い人がやりたい放題やっちゃいけませんということなんですよ。これは、政権党にも権力を行使する機関にも、どちらにも当てはまることであります。

 さきの民主党大会で小沢幹事長が、断固検察と闘うと宣言をされました。鳩山総理も、同志として信じていると再三御発言をされておられます。そうすると、これは一蓮託生、運命共同体宣言をされたのに等しいのであります。

 小沢幹事長が万一罪を問われるようなことがあったらどうなさいますか。

鳩山由紀夫 内閣総理大臣
 今まさに、小沢幹事長が事情をしっかりと説明に行くという状況でありますから、捜査は冷静に判断をされるべきだと思います。

 そして、信じることと一蓮託生という話は、これは別であります。同志として、代表とそして幹事長という立場で、お互いに協力をしながら政権交代を実現してきた、そのことはそのこととして大変大きな話だ、そのように思って、小沢幹事長を信じているのは、我々みんな、すべてそうであります。そのことと一蓮託生という話とは、これはいささか趣が別だ、そのように思います。

渡辺喜美
 国会というのは検察じゃありませんので、これはまさに、先ほどから議論が出ているように、政治的責任、こういうものをきちんと明確にする場なんですよ。したがって、こういう当たり前の質問に答えられないというのは、何かやましさを感じてしまいます。

 いずれにしても、国会に出てきて話す義務のない方が一番影響力を政権に対して行使しておられる、これをガバナンスのゆがみというんですよ。こういう状態があるがゆえに、まさに政治の閉塞状況が晴れないということを申し上げます。

 本来、この国会は、こうしたお金のスキャンダルの話ではなくて、いかにデフレギャップを解消するか、これを議論する場だったはずであります。

 今、日本のデフレギャップ、40兆円、内閣府が認めておられるだけでも35兆円あると言われています。デフレギャップをほうっておけば失業率は高くなります。日本の場合、今のデフレギャップで大体失業率が2、3%程度上に行きます。そして、失業者数でいくと130万人から200万人程度ふえます。労働者の正規、非正規でいったら、非正規の方にしわ寄せが来ます。もっとしわ寄せが来るのは新卒者の方ですよ。来年春に卒業して、職のない高校生がどれだけいることか。こういうデフレギャップを放置しておけば、雇用対策を延々とやらざるを得なくなる。言ってみれば、対症療法ではだめなんです。根本療法をやる必要があります。

 リーマン・ショック以降、各国では財政出動と同時に金融政策を発動いたしました。今回の補正によって、菅副総理のお話は大体0.7%程度ぐらいですか。到底これではマイナス7%のデフレギャップを解消するには至りませんね。そうすると、各国ではどんなぐあいにこのデフレギャップを解消していったか。

 例えばリーマン・ショックの後、アメリカではマイナス140兆円のデフレギャップ、ドイツはマイナス30兆円、日本がマイナス45兆円。財政政策を発動した後は、アメリカでは半分になっています。日本では、残念ながら35兆円まだ残っているんですね。金融政策を発動した後、アメリカ、イギリスではデフレギャップは解消をしているんです。日本では相変わらず35兆円。

 各国中央銀行のバランスシートが書いてあります。例えば、FRB、急激にバランスシートを膨らませております。ECB、ヨーロッパ中銀も同じようにバランスシートを膨らませています。日本はどうか。バランスシートをしぼませたまま。これが日本の金融政策の現状なんですよ。

 では、日本の金融政策、どうなっているのか。消費者物価指数、生鮮食品を除く、あるいはコアコアと言われるエネルギーも除く、赤い方ですね、どういうぐあいに消費者物価指数は推移てきたか。これを見れば明らかなように、ゼロ%からマイナス1%のゾーンにどんぴしゃりはまっているんです。いかに日本銀行が、デフレターゲットとさえ言ってもおかしくないような金融政策をやってきたかがこれによってはっきりわかります。ゼロを超えると金融引き締めをやる、マイナス1を下回ると金融緩和をやる、こういう金融政策をやってきた結果、日本はデフレギャップから脱却できずに延々と格差が広がり続けているんです。

 総裁、いかがでしょうか。

白川方明 日本銀行総裁
 お答えいたします。

 まず日本銀行の基本的な政策運営のスタンスでありますけれども、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な経済成長経路に復帰することが極めて重要であるというふうに認識しております。

 先月開催しました決定会合でも、日本銀行は、消費者物価の、前年比で見てゼロ%以下のマイナスの値は許容しないということ、政策委員の大勢は1%程度を中心として考えているということを示し、デフレ克服への決意を明確にしております。こうした考え方のもとで金融緩和措置をさらに決定いたしました。

 今、先生が御質問になりました需給ギャップ、デフレギャップとの関係で申し上げます。まず、デフレギャップの数字これ自体は、これは計算の仕方で随分変わりますので、ギャップの数字それ自体については、多少幅はございますけれども、しかし、今、経済の問題として、この需給ギャップを解消する必要があること、需要を創出する必要があるということについては全く認識は同じでございます。

 その上で、金融政策でございますけれども、先生のお配りになりました表の中で、金融政策の果たした役割の数字についてどういう根拠で計算されたのか必ずしも定かではございませんので答えにくいんですけれども、ただ、先生が御指摘になった中央銀行のバランスシートという点について、一言だけ私の考え方を述べさせていただきます。

 先生御案内のとおり、アメリカの場合は、銀行借り入れではなくて、CP、社債、証券化商品といった資本市場での調達が全体の80%を占めております。一昨年秋のリーマン破綻によって、アメリカの資本市場は大変に実は壊れてしまいました、もう発行ができないという状況になりまして。その結果、FRBは不幸にして、中央銀行がそこを肩がわりするしかないという状況になってしまいました。

 この点、日本の金融システムは、これは渡辺先生が御努力された90年代後半以降の金融危機対策も含めて、日本はさんざんいろいろな努力をやってまいりました。その結果、今回、日本の金融システムは、もちろん世界の影響は受けましたけれども、しかし、欧米に比べて、金融システムは相対的には安定性を保ち得ました。その結果、FRBで起きた、不幸にしてFRBがそこまで中央銀行のバランスシートを拡大しないといけないという状態には、日本はならずに済んだということでございます。

 そのかわり、日本銀行は、金利を今世界で一番低い金利にして、金融緩和を続けるという覚悟を示しております。それから、流動性につきましても、日本銀行は、必要な流動性はしっかり供給するという体制を組んでおります。

 最後に、中央銀行のバランスシートの大きさでございますけれども、これはもちろん経済規模の差を勘案する必要がございます。アメリカあるいは欧州は大体日本の3倍弱ございますので、GDPの比率で見てみますと、日本銀行は26.0%、FRBは16.0%、ECBは20.6%でございまして、大きさという面で見れば、もちろん大きさが大きければいいというわけではございませんけれども、日本銀行は世界で一番大きな中央銀行になっております。

渡辺喜美
 相変わらず昔の理屈を述べ立てておられるばかりでございますが、結局、世界の金融政策の標準と言われるテーラー・ルールをもってしても、今の日銀の資金供給は非常に少ない、マイナス3%ぐらいの水準になっているんですね。したがって、デフレ脱却のためには、何といってもGDPギャップを埋める必要がある。これには財政政策だけでは到底無理。となったら、日本銀行が、あと30兆円ぐらいは国債を買ったり、あるいは、我々の主張している信用緩和政策を打ち出したりする必要があるんですよ。

 みんなの党は、昨年の臨時国会において日銀法改正案を準備いたしました。まず、政府と日銀が協定を結ぶ。アコードですね。その上で、政府が日本銀行に、例えば、中小企業のローン債権を20兆円買い取ってほしい、こういうことを要請することができる。日銀は独立性がありますから、断ることもできる。一方、日銀が政府の要請に応じて、20兆円のローン債権を引き取って損を出した場合、政府が補てんをする。日銀と政府の財布はつながっていますので、そういうところのやりくりで補てんをするということになるでしょうね。そういうことをやれば、20兆円のお金が金融機関に出回る。金融機関は、新たな貸し出しあるいは資本提供金融、そういうものに回すことが可能になるんです。財政政策を使わずして20兆円の有効需要をつくることができるようになるじゃありませんか。なぜこういう財政金融一体政策をとらないんですか。

 菅副総理、菅副総理はスーパー大蔵大臣ですよ。財務大臣兼経済財政担当大臣。日銀の金融政策、来週25、26と2日間あります。そこへ行って、財政金融一体政策をやるべきだ、そういうことをおっしゃられたらいかがですか。

菅直人 副総理兼財務大臣
 デフレギャップ、デフレ状態について、私も昨年、ある段階で、日本の状況がデフレ状況にあるということを宣言いたしました。また、それ以降、日銀の方でも、今、白川総裁からもお話がありましたように、0.1%の3カ月という長期の金利政策を含めて、幾つかの手を打っていただきました。そういう意味では、現在、政府と日銀、もちろん独立性とかコミュニケーションをよくするとかいろいろありますけれども、基本的には連携をしながら対応している、このように思っております。

 今、渡辺議員の方から、日本銀行にいろいろな債権買い取り等を言ったらどうかと。これは、私の認識では、大きい方向としては、日銀、政府、方向性は同じ方向を向いていると思いますが、そこでどういう政策を金融政策として打っていくのか、具体的なあり方まで政府がこうしろ、ああしろと言うのはやや行き過ぎではないか。そういう意味では、方向性を共通にしながら、それぞれ政策手法、日銀は金融政策として、そして政府は財政政策を中心にして考えていく、こういう考え方で進めているところであります。

渡辺喜美
 結局、日本だけが二番底懸念、ほかの先進国は出口戦略というのを考えているわけですね。そうすると、ではまたしても4月以降補正を組まなきゃいけないということになるんじゃありませんか。だったら、今のうちから財政金融一体政策をきちんと政府と日銀で話し合って決めておくべきなんですよ。

 結局、日銀の肩を持たれる方は自民党政権時代もいらっしゃった、日銀が量的緩和をおくれおくれにしてしまった、そして引き締めをやるべきでないときに引き締めをやってしまった、だから日本がデフレから脱却できずに、延々とデフレが続き、そしてリーマン・ショック以降の需要が消えてなくなっていく中で、世界一デフレギャップが出てきてしまったんです。

 ぜひこれは鳩山内閣として真剣に取り組んでいただきたい。我々は野党ではありますが、こういう前向きの提案はどんどんさせていただきます。

 次に、成長戦略についてお聞きをします。

 まず、何といっても成長戦略の基本は、強力な財政金融一体政策を進めた延長線上にあるということを申し上げたいと思います。

 経済の成長というのは、ばらまきで所得をふやせば、カンフル注射で成長が達成できるという代物ではありません。結局、なぜ自民党時代の成長戦略が、毎年つくられては効果を発揮してこなかったのか。我々は、まさにそれは脱官僚、地域主権がなかったからだと申し上げております。要するに官僚統制なんですよ。産業を官僚が統制し、そして産業を育てると称して規制をかけ、補助金を出し、そんなことをやってきたから全体の経済が、競争力がまるで失われてしまった。そういう産業政策に乗らなかった産業、例えば自動車のようなものは世界一の競争力を確保したんです。

 まさに成長戦略を実効あらしめるためには、脱官僚、地域主権。産業の振興というのは中央政府の仕事じゃないんですよ、地方政府の仕事なんです。例えば、菅副総理もよく出されておられる農林業、こういうものは地方政府に任せたらいい話なんですよ。そういうことが全然できていない、だから失敗をしてきたんです。

 では、今度の新成長戦略の中で本当にそういう脱官僚、地域主権の発想があるんでしょうか。例えば、ここにも書いてあるように、羽田の24時間ハブ空港、オープンスカイ構想を推進する、こういうことをやるためには、官僚統制をなくさないといけないんです。その官僚統制のなれの果てが日本航空じゃありませんか。

 日本航空は、営業利益が赤字、バケツで水をくもうと思っても、バケツの底からどんどん水が漏れてしまう、そういう会社だった。何度も危機を迎えてきた。結局、そういう会社をそのたび救ってきたのはだれですか。まさに官僚統制の政策だったじゃありませんか。

 例えば政策投資銀行、まさに天下りポストですよ。政策投資銀行がメーンバンクでいかに湯水のごとくJALにお金をつぎ込んできたか、こういうことをまずリセットする、そういう態度が必要じゃありませんか。

菅直人 副総理兼財務大臣
 まさに大変な応援の演説をいただいているような気がいたします。

 先ほど来、渡辺議員、聞かれていたかどうかわかりませんが、野党の皆さんが、この新成長戦略について、中身は似たようなものだが、たくさん既に出していたと言われたので、まさにできるかできないかが問題なんであって、それができなかった最大の理由は、今、渡辺議員が言われたように、縦割りを中心とした今の官僚組織、さらにそれに族議員という体質がつながって、今、JALのことも話をされました。これは前原国交大臣がよく言われているように、1つの県に平均して2つずつ飛行場があるというのが本当に日本にとって適正なのか、そういったことを含めて、すべては、そういう従来型の縦割りあるいは天下り的なもの、さらには族議員的なものがあったために、やるべき改革が進まなかった。

 そういう意味で、私たちは、まずこの改革を進めるには、それこそ政治のリーダーシップがきちんとしていなきゃいけない、少なくとも4年間の鳩山政権の中でそれを確実に進めていきたいというのがこの中身でありまして、もしこの中身について何か御説明が必要だったら、幾らでもさせていただきます。

渡辺喜美
 結局、日本だけが二番底懸念、ほかの先進国は出口戦略というのを考えているわけですね。そうすると、ではまたしても4月以降補正を組まなきゃいけないということになるんじゃありませんか。だったら、今のうちから財政金融一体政策をきちんと政府と日銀で話し合って決めておくべきなんですよ。

 やはり、こういうパラダイムの転換というのは、霞が関の中で一番司令塔になっている財務省とどう向き合うのかというところが実は最大のポイントなんです。

 松井副長官がどこかの週刊誌で、菅副総理は財務省と闘うんだというお話を披瀝されておられましたが、そのとおりですか。

菅直人 副総理兼財務大臣
 私が財務省に入りましたら、菅官戦争勃発を期待されたマスコミの方もたくさんおられたようであります。

 私は、そのときも、かつて厚生大臣になったときと同じことを官僚の幹部の皆さんに申し上げました。私は、財務省の代表ではないんだ、国民が選んだ、財務省に送り込んだ国民の代表なんだ、その立場で、財務省が国民的にも本当に意味のある仕事をしてくれるように、そういう国民の代表という立場で仕事をしていく、そのことは明確に申し上げたところであります。

渡辺喜美
 何となく決意がトーンダウンしているような印象を受けるのは私だけでしょうか。

 日本の国家財政の最大のゆがみは何か。それは、グロスの借金も大きいけれども、反対側の資産がやたらどでかいということなんです。

 左側の「資産の部」、700兆円あります。ダムとか道路が多いんだろうと思ったら、そうではありません。有形固定資産は土地も含めて180兆円。一番大きい資産は何か。金融資産ですよ。例えば貸付金190兆円、出資金、有価証券もありますね。こういうものがまさに特別会計、天下りネットワーク、そういうところに流れ込んでいるんです。グロスの借金ばかり強調すると、まさに増税しかありませんということになるんです。

 こういう大きく膨れ上がった資産を圧縮するというお考えはありますか。

菅直人 副総理兼財務大臣
 1月、早い段階の閣議の後、2時間余りの閣僚懇談会を開いていただきました。その席で、総理あるいは私や仙谷さんの方からも、特別会計さらには独法、公益法人等、それぞれの省庁にかかわるそういった制度について抜本的な見直しを、今から作業を始めてほしい、そういうことを申し上げました。

 率直に申し上げて、昨年9月16日に政権が発足して、年内予算編成ということで、なかなかその部分に十分な切り込みができなかったという反省がありまして、今、渡辺議員の言われた分野についてもことしが正念場だという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。

渡辺喜美
 こういう大きく膨れ上がった資産を圧縮する、我々は小さな政府をつくると呼んでおります。ぜひ、こういう精神は大きな政府路線の民主党においてもしっかりと考えていただきたいと思います。

 埋蔵金についてお尋ねいたします。

 それだけ決意を持って財務省に乗り込んだ菅副総理でありますから、埋蔵金はもっと発掘できると考えてよろしいですね。

菅直人 副総理兼財務大臣
 御承知だと思いますけれども、来年度の予算の中では過去最大の税外収入、この多くはいわゆる埋蔵金でありますが、1.6兆を確保したところであります。

 そういった意味で、埋蔵金にも、御存じのように、もともとたまっているものと、毎年毎年ある程度生まれてくるものとがありますから、生まれてくるものはある程度見通しがつきます。しかし、さらにたまっているもののどの部分を取り崩すことが適切かどうか、これについては、先ほど申し上げたように、特別会計等、制度の問題、組織の問題に、その改廃も含めて取り組んでいきたい、このように考えています。

渡辺喜美
 埋蔵金はまだまだたくさんあります。もしわからなかったら来てください。幾らでもお教えいたします。

 やはり、平成維新を起こすには、内閣に人、政策、お金を集める。内閣人事局、内閣国家戦略局、そして内閣予算局であります。

 まず内閣人事局。この法案がこの通常国会で出てくると聞いていますが、前の麻生政権において出された政府案では、内閣人事局の機能として、例えば、人事院の級別定数管理、総務省行政管理局の定員管理、財務省給与課の給与額の管理、そのほか総務省人事局の退職金制度、各省人事課の個別人事、こういった機能が内閣人事局に来るという器の形態になっていましたが、今度はどうなりますか。

仙谷由人 行政刷新担当大臣
 この国会で国家公務員法等の一部を改正する法律案を提出して御審議をいただきたいと思っております。

 その際に、人事管理機能の強化を図るために内閣官房に内閣人事局を設置する。それから、公務員関係では、国家公務員の退職管理の一層の適正化を図るために、官民人材交流センター及び再就職等監視委員会を廃止いたしまして、再就職等規制違反行為の監視を行う新たな組織を整備したいというふうに考えております。

 内閣人事局でありますが、もう少し具体的に申し上げますと、これは、幹部職員の人事の一元管理に係るものについて、先行して具体化をして実施をするというものでございます。

 その他の、懸案になっております、先ほどおっしゃった級別定数等々の問題などにつきましては、労働基本権の見直しを含む公務員制度の抜本的改革の一環として、でき上がりましたこの内閣人事局で引き続き検討をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

渡辺喜美
 結局、今、仙谷大臣が言われた内閣人事局は、麻生内閣のときの案よりもはるかに後退している。実にしょぼいものですよ。あの麻生内閣ですらしっかりとした器をつくったんですよ。それが、何ですか、級別定数管理は移さない、定員管理も移さない、財務省の給与課も移さない、実に小ぢんまりとした、しょぼいものをつくろう、そういうお話ですよ。

 私が大臣のときに労働基本権の問題はもう決着をつけたはずだ。要するに、スト権まで含めて全面解禁をしたらいいじゃないかと言った。そうしたら、スト権までやるとこれは大変なことになるから、では協約締結権までにしましょうと言うので、協約締結権まで拡大をするという案で決まったんですよ。

 それを延々と、エンドレスの議論をやり続ける。結局、基本権をてこにして公務員制度改革をやらせない。まさに、組合と官僚がなれ合いで改革を阻んでいる構図じゃありませんか。

仙谷由人 行政刷新担当大臣
 この国会で国家公務員法等の一部を改正する法律案を提出して御審議をいただきたいと思っております。

 これだけは、お言葉を返すようでありますが、渡辺大臣が、麻生内閣になって、つまり公務員制度改革担当を外されて以降の公務員制度改革本部の事務局がどうなって、そして人事院のある種の反乱に遭ってぐちゃぐちゃになってしまったということは、あなたが一番よく知っているじゃないですか。

 いいですか。私が着任したときの事務局の状態は、仕事になるような、そういう構成じゃなかったじゃないですか。ここから公務員制度の改革を進める体制を再構築する以外に、こんなものが進むはずないじゃないですか。そうでしょう。よくわかっていらっしゃるじゃないですか、本当のことは。

渡辺喜美
 ことしの1月1日、元旦の毎日新聞にそのあたりの経緯が実に詳しく書かれていますよ。

 私が大臣のときの推進事務局は改革派もいたんです、各省人事もあったけれども。その改革派がつくった人事局の器、実に見事な器でしたよ。結局、麻生内閣ですらつくった器を、鳩山内閣になったら実にしょぼい、しょぼい器にしてしまっている。これが問題なんです。せっかく政権交代、平成維新と言っているのに、何なんですか、これは。一体、本気で公務員制度を改革する気があるのか、私は疑ってしまいます。

 また、民主党のマニフェストには、国会議員100人を政府の中に入れると言っていた。入れようじゃありませんか。大いに結構ですよ。大賛成ですよ。国会法の39条、これを変えないといけない。それを今度やるんでしょう、政治主導何とか法案というもので。

 でも、何なんですか。何か新聞報道を見ると、100人どころか、15人しか入れない、89人までしか入れないと。何てしょぼい話なんですか。一体どうなっちゃっているんですか。

平野博文 官房長官
 渡辺議員にお答えをいたします。今言われまして、100人を政府に配置する、こうマニフェストに書いておりました。この実現のために、政府・与党が一致協力して今国会に法案を提出しまして、現在に比べまず15人増の88人を政府に国会議員を送る、こういうことでございます。

 また、大臣、副大臣及び大臣政務官を補佐する、渡辺さんが主張しておられた部分を含めて、これからの政務補佐官構想、これについては今後順次検討していく、こういうことでございますので、即できるということではありません。これはやはり党と政府のバランスの問題も十分に考えてやっていきたい、このように思っております

渡辺喜美
 残念ながら、鳩山内閣は維新政権ではありません。みんなの党が政界再編、真の維新政権を樹立させていただきます。

 ありがとうございました。