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吸収の良いスポンジとの評
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野田佳彦首相が誕生する。衆議院は308票、参議院は決戦投票の結果、野田110票、谷垣禎一107票、白票24票(みんな11、共産6、社民5、新党改革2)となり、衆参別指名は起きなかった。
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参議院の過半数は121票ゆえ、野田佳彦110票に対し、みんなの党11票がキャスティングボート勢力であるとあらためて分かった。
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首班指名後、野田氏が各党回りをするというので所定の時間にみんなの党控室に行ったら、既に野田氏が汗をふきふき待っていた。松本前復興担当大臣のように怒ることもなく、低姿勢であった。これが「ドジョウの政治」かと思ったが、総理になる人の重量感はなく、いかにも軽量級の印象だった。
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野田氏の発言の軌跡を辿ってみると、その政治信条が見えてくる。すなわち、「あなた色に染まります」。鈴木哲夫氏が週刊現代で言っているように、野田氏は「吸い込みの良いスポンジ」のような人である。
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3つの論文でクルクル変遷
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野党時代は、政権交代直前の著書「民主の敵」において、次のように語っていた。
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(1)官僚が天下りや保身を追及する最大の原因は現行の公務員制度だ、民主党が政権をとったら、天下りは根絶。
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(2)2万6000人の国家公務員OBが4700の法人に天下りしており、これらの天下り法人に年間に12兆6000億もの血税が流れている。このカラクリを壊さない限り、どんな予算を組んでも経済危機を乗り切ることはできない。特別会計のムダ遣いはドンペリまで飲み放題。
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(3)消費税アップを安易に認めると、そこで思考停止し、今の(特別会計のムダ遣いなどの)からくり解明はストップすると思う。
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政権交代し、野田氏は財務副大臣、財務大臣に就任。すると、財務官僚のレクチャー攻勢をそのまま吸い込んだ増税一直線となった。私が行革大臣の時、せっかく一つにした日本政策金融公庫からJBICを分離、AAA級の天下りポストを復活させた。
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代表選出馬表明前の文藝春秋論文「わが政権構想」。先の著書のような話は忽然として消えた。
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その代わり、「歳出削減だけに頼って財政健全化するのは限界。経済成長による税収増に期待する向きもあるが、経済成長は、必ずしも財政健全化に結びつかない」。まるで財務省の主査のメモを貼り付けたような文章だ。
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代表選の討論会でも、復興増税、社会保障のための増税に積極的な姿勢を打ち出していた。
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しかし、代表選が終わった後の記者会見と、代表選劣勢が伝えられた後の「政権構想」。今度は、党内の議員から増税一直線路線に対する懸念を吸収した。財務省役人メモのような内容は忽然と消えた。
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(1)税金の無駄使いを徹底的に排除する等の上で歳入面での改革も併せて実行。その代わりに、
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(2)行政改革の断行。特会仕分けの成果を踏まえた特別会計改革法案を次期通常国会に提出し、成立を期す。
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(3)天下り根絶。再就職斡旋禁止の徹底。時限的に給与カットする公務給与特例法案、幹部人事一元化など含んだ公務員制度改革関連法案の成立を期す。
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だとか。野田総理も威勢良く公務員制度改革をやると述べたそうな。
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行ったりきたり。これだけ言うことがクルクル変わるのは、野田総理に信念がありそうにみえて、全く信念がないことを証明している。これは民主党のカルチャーだ。言葉が軽い。海江田氏流に言えば「鴻毛よりも軽い」。
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天下り拡大のDNAが埋め込まれている
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しかも、こういうドサクサを千載一遇の好機とするのが官僚だ。政権構想をよく読むと、「再就職先の公益法人等への補助金等の削減を前提に高位スタッフ職を整備する」なんてことまで書かれている。早くも役所へ配慮した役所内天下り拡大のDNAが埋め込まれているのだ。スポンジ総理は、騙されていることに気づいていない。鳩山・菅に続き、またしても官僚のレトリックの分かる裏方部隊はいないのか。
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自己保身で代表選出
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信念がないのは、民主党全体にいえることだ。野田氏が代表選で勝った最大の要因は、野田氏が「自分が総理になっても支持率が上がらないから、解散はしない」と訴えた点が民主党議員の心を惹きつけた。民主党議員の自己保身で総理が指名されるのは言語道断だ。
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代表選の構図は、小沢元代表の傀儡である海江田大臣と財務省の傀儡である野田大臣の激しい争いになった。しかし、海江田氏は、あからさまな小沢元代表の操り人形だから、そもそも無理があった。
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小沢元代表は、「第三の男」とか言っていたようだが、こういう権力の二重構造を作ろうという感覚自体が古い。
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昔、海部内閣のころ、神輿は「軽くて中身のないのがいい」と小沢元代表は語っていた。そういう政治に国民はうんざりしている。神輿は肩にズシリと食い込む重さが必要だ。
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この小沢元代表の傀儡というのは誰の目からみても分かりやすいが、財務省の傀儡というのはステルスであり、国民からは見えにくい。だから、あのように票差が広がったのだろう。
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民主党は何も変わっていない
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野田佳彦という選択は結局、当初の菅内閣の増税路線を継承する本命候補に落ち着いただけだ。民主党は何も劇的に変わっていない。これから、大連立でおぞましい増税翼賛体制が出てくることが予想される。
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自民党も一度は大連立の要請を断るだろう。しかし、3ヶ月もしないうちに公明党が民主党にすり寄って行くだろう。自民党は、公明党に生殺与奪の権を握られている。
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谷垣総裁は「第3次補正予算成立後、速やかに解散」と主張するが、解散をやりたくない公明党に引きずられ、いっそのこと大連立へという流れがまたぞろ復活するだろう。
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「泥臭く国民のために汗をかくドジョウの政治をとことんやりたい」。ドジョウの政治で庶民派を強調した野田総理。しかし、口で言うこととは裏腹に、庶民や被災者に寄り沿うのではなく、汗をかかず官僚に寄り添い、増税と電力料金値上げでダブルの負担を押し付ける。
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官僚にとっては予算の組換えや電力自由化による電力料金値下げより、はるかに容易な手法である。「国民に痛みを分かちあおう」と言える政治家が偉い人、という官僚の刷り込みに相変わらず踊らされている。
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産業の空洞化問題に取り組むと言いながら、こんな増税画策と電力料金値上げ、そしてピンボケの円高対策では、日本が貧しくなる一方。
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マーケットは冷静で正直だ。野田新代表が選出されても無反応。円高・デフレ対策の手腕に疑義がつき冷ややかだった。
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2年で3度目のハネムーンなどありえない
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こういう野田新総理の船出に、政治評論家からは、アメリカに倣い「ハネムーン100日」と称して見守ろうという声も聞こえくる。
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バカも休み休みに言え。2年の間に3回ものハネムーンが許されるわけがない。アメリカでハネムーン期間があるのは、4年に1度の選挙で国民が選んだ大統領だからだ。
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選挙の洗礼を受けていない、民主党政権になって2年で3人目の総理にハネムーンが認められるわけがない。まして官僚のシナリオに乗って庶民イジメ政策を公言するのだから尚更だ。
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野田総理は民主党代表候補の中で最もマニフェストの見直しに積極的だった。こういう総理が誕生したことで、民主党のマニフェスト詐欺が最終確定した。
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野田総理は、できるだけ早く国民に信を問え。
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