2011/12/21
みんなの維新
 
危機管理の不安材料を露呈
 一昨日、金正日総書記が死去した。これは来年に予想される世界の指導者交代の予兆である。今すぐではないにしても、体制の崩壊に進んで行く可能性も高く、日本政府は、軍の暴発、難民流出の事態に万全の体制をとらなければならない。

 様々な重大局面を想定した北朝鮮5カ国共同管理などシミュレーションも急務だ。北朝鮮内部の情報収集、日米韓の協力関係、拉致問題の解決に向けて政府は危機管理体制を強化すべきである。

 ところが、野田内閣は、危機管理について不安材料を曝け出している。

 12月19日10時、北朝鮮国営テレビが正午の特別放送を予告した。特別放送は、金正日氏の父である金日成氏の死去のときもあった。

 この正午の1分前に、野田総理は、新橋の街頭演説に向かうため執務室を出た。あと1分待てば情報を得られるのに、こうした行動をとったあたりが、問題認識の過小評価ぶりを物語っている。

 明らかに政治家としての反射神経を欠いている。危機管理のピントがずれているといわざるを得ないだろう。

 こんな非常時において、拉致問題担当大臣・国家公安委員長と防衛大臣の重要閣僚は、問責閣僚のまま。

 山岡拉致問題担当相は、早速、安全保障会議を欠席同然の対応をした。事務方から報告が上がってこなかったと言い訳をしているようだ。だが、こういう脛にキズのある大臣なのだから官僚が好き勝手やるのが習性になっていたのだろう。既に、危機管理に穴があいている。

 最初から資質のない大臣を任命し、未だに続投させている野田総理の任命責任は極めて重い。即刻、問責閣僚2人の更迭をするのか、危機管理の第一歩だ。

地方自治法改正案(大阪都構想)を発表
 昨日、橋下徹大阪市長が松井知事と挨拶に見えた。この場で、大阪都構想実現に向けた地方自治法改正案を発表した。

 これは、事実上、大阪維新の会とみんなの党の合作のようなものだ。橋下市長もメディアで発言しているとおり、脱藩官僚の原英史氏のミニシンクタンクである政策工房を介し、橋下市長からの提案や維新の会の意見を取り入れて作成したものである。

 この法案のポイントは、以下3点である。

(1)「都への移行」の手続き規定が、従来の地方自治法にはなかったので、追加する。

(2)新たに設ける都で、「都と特別区の権限配分や税源配分をどうするか」といった詳細な制度設計は、国が中央集権的に一律に決めるのでなく、それぞれの地域に委ねる制度にする。

 それぞれの地域の協議会で結論を出したら、内閣はそれを尊重し、法改正が必要なら3か月以内に法案を提出する、という仕組みとする。

(3)このほか、大都市制度改革、地方交付税制度の改正といったスケジュールを定め、2014年度には、都への移行の準備が確実に整うようにしている。

 この法案を通常国会へ提出し、会期中に成立させたい。スピード重視で早く成立させるため、ハードルの高い法案ではなくマイルドな法案とした。

 中央集権・官僚統制派の総務官僚からすれば、(2)のように制度設計を地域に委ねる話は、国家統治に穴があくといって反対しそうな話だ。

 しかし、少なくとも「地域主権」を唱えている人たちは、反対の余地がないはずだ。

 通常国会開会までに、他党(民主、自民、公明など)にも、共同提出を呼び掛ける。これぐらいの案に乗れないようならば地域主権を語る資格はないだろう。

文部科学省の言い分どおり閣議決定
 大阪維新の会は、教育改革についても重点を置いている。

 維新の会の教育基本条例案では、教育に対する住民の意向を反映させるという問題意識にたって、「知事(市の場合は市長)が、教育委員会と協議の上、教育目標を定める」という規定を入れている。

 これに対し、文部科学省が「知事が教育目標を定めることは違法」との解釈を示して問題になっていた。

 これに対し、私が質問主意書を出したが、野田内閣はとんでもない答弁を返してきた。

 ポイントは二つある。

 第一に、野田内閣が、「具体的内容が明らかでないので一概にお答えできない」との逃げはうちつつも、文部科学省の言い分どおり、「知事が教育目標を定めることは違法」と閣議決定したことである。

 論拠は、地方教育行政組織法の条文解釈だが、これは、ちょっと考えれば分かるとおり、常識には反する。

 多くの知事や市町村長は、選挙の際の公約で「地域の教育をこうしたい」ということを唱えている。これらはすべて、「違法行為の約束」とでもいうのだろうか。

 第二に、「教育の政治的中立性とは何か」という質問に対し、「多数の者に対して強い影響力を持ちうる教育に、一党一派に偏した政治的主義・主張が持ち込まれてはならないことを意味する」と回答した。

 つまり、教育内容の中立性を意味するということだ。それならば、「政治家が教育に口を出すことは、教育の政治的中立性に反する」といった巷の議論は、過剰な拡大解釈ということになるはずだ。

 教育の政治的中立性とは何なのか、教育委員会制度をどうすべきか。大阪の条例の枠を超えて、議論を提起したい。

 みんなの党は、次期通常国会で、「知事や市長は、教育目標を定めることができる」という確認規定を議員立法で提案していくことも視野に置きたい。

 こうした話を橋下市長や松井知事にしたが、大変、感謝された。

 橋下市長は会談後、記者団に「みんなの党案の地方自治法改正案を各党が賛成してくれると確信している」と述べた。

 みんなの党と大阪維新の会とは、既に、同一アジェンダを実現するため一体として行動している。大阪で維新が始まった。来年はこれが日本中に広まるだろう。「みんなの維新」が起こる。