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第3回審査結果

審査委員 (50音順・敬称略)…柏村祐司・勝城蒼鳳・日原公大・宮崎珠太郎

最優秀賞

『 櫛目編もあれ花籃 』東 次男

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『 櫛目編もあれ花籃 』
東 次男


総評
今年の出品状況は世相を反映してか、昨年より少なめですが全国から88点もの応募がありました。
その中で、伝統工芸部門は大半以上を占め70点の応募でした。数は減りましたが編み方の技法、組み
合わせに趣向を凝らしたもの、形に神経を集中して作り上げたもの等レベルの高い作品が集まりました。
クラフト部門と自由創作部門とは丁度半々になりましたが、両部門の作品の中に伝統工芸に見まがう作品
が多く、せっかく実験的創作を楽しめる場なのですから規制にとらわれない自由な発想でチャレンジをして
頂きたかった。
今年も、審査員の先生方と、各賞を決めるための論議を長時間繰り返し行いましたが、特に最優秀賞と
優秀賞の作品は甲乙付け難く結局デザイン性のある櫛目編もあれ紋花籃(伝統工芸部門)に軍配があり
ました。
花籠や花入、盛籠等、どんな技術を駆使して作ってもオリジナリティーが無くては、作品は面白くならない
でしょう。よしんば花籠をきれいに作りたいと願って作っても美しい形が心の中に無ければ美しい形を現す
ことは出来ないのです。例えば技術的に高度な美しい作品は、美的感性がその技術をコントロールしている
証しだと言えます。決して表面だけをきれいに仕上げているのではありません。中から湧き出てくる必然の
エネルギーが美しいのです。経験が浅くても長くても作品作りの始めは、どんな物を作りたいのかを、はっきり
決めて仕事に入らなければなりません。『何を表現したいか』という目的をしっかりと決めてください。
目的のないものは必ず技術だけにこだわります。技術は目的を達成させるための補助にしかすぎません。
自分にとって美しい物とは何か、その美しい物を表現するにはどのようにするべきかをじっくり考えて作品
作りをして頂きたいと思います。



                                                     審査委員長 日原 公大